タバコがAGA薄毛の原因!?禁煙したら薄毛が改善するのか?

タバコがAGA薄毛の原因!?禁煙したら薄毛が改善するのか?

タバコの薄毛への影響

薄毛についてAGAクリニックなどで相談すると、必ず聞かれるのが喫煙歴。煙草が健康に良くないことは知られていますが、薄毛や抜け毛に関しても何らかの悪影響があるのでしょうか?
ここでは、タバコの薄毛への影響をみていきます。

なぜタバコが良くないか(メカニズム)

タバコの煙の主成分であるニコチンの薬理作用(薬物が体内で起こす作用のこと)が人体に悪影響を及ぼします。

1)血管を収縮させる
2)交感神経を刺激する
3)男性ホルモンを急増させる
4)依存症を発症させる
5)ビタミンC,B群,Eを破壊する

それでは詳しく見ていきましょう。

ニコチンが血管を収縮させる

ニコチンによって末梢血管(毛細血管レベルまで)が収縮し、頭皮下の毛細血管に血流が十分に行き渡らなくなります。AGA(男性型脱毛症)の人は健康な人と比較して毛根が弱い傾向があります。このような状況で血流を阻害されると、AGAが進行しやすくなってしまいます。

髪の毛が作られるためには、毛乳頭から酸素や栄養素を受け取った毛母細胞が細胞分裂する必要があります。上記のように血流が十分に行きわたらなくなると、酸素や栄養素を十分に運ぶことがでず、細胞分裂が不十分となります。その結果、髪の毛が十分に作られず薄毛や抜け毛の原因となります。

交感神経系を刺激する

ストレスによる抜け毛で自律神経のメカニズムについて記載しましたが、ニコチンにも交感神経系への刺激作用があります。交感神経系が優位になると全身の血流が悪くなり、毛髪が育たなくなってしまいます。ストレスによる抜け毛も悪化させることとなります。

男性ホルモンを急増させる

 ニコチンの作用として、AGAに関連する男性ホルモンを圧倒的に急増させる作用が確認されています。

「ハーバード大学公衆衛生学部の調査によれば、喫煙によって男性ホルモンの量が10%~30%増加したということがわかりました。これはアメリカの中年男性およそ1200人を対象に、タバコを吸う人と吸わない人の男性ホルモンの量を調査したものです。その結果、タバコを吸う人は吸わない人に比べ、一般的な男性ホルモンであるテストステロンは9%、強い脱毛作用を持ち、薄毛の直接の原因でもあるDHT(ジヒドロテストステロン)は13%増加していたのです。」

【出典】
According to a recent study by the Harvard School of Public Health
“Smoking Increases DHT, the Hormone Related to Hair Loss”
https://www.regrowth.com/remedies/smoking-increases-dht-the-hormone-related-to-hair-loss/

ニコチン依存症を発症させる

ニコチンにはタバコを止められない原因である強い依存作用があり、「ニコチン依存症」を発症させてしまいます。
「ニコチン依存症」は、自分の意思で禁煙できなくなってしまった状態(精神疾患)です。「ヤニが切れたので補給します」とか、職場の喫煙ルームを第二会議室など冗談ぽく言っているうちに依存症になってしまう可能性もあるので注意が必要です。ニコチン依存症に陥ると精神的依存性が高く、人体全てに悪循環をもたらす可能性があります。

ビタミンを破壊する

 喫煙するとアンチエイジングに重要とされる、体内にある「ビタミンC,B群,E 」を破壊してしまいます。喫煙者を見ると実年齢よりも高齢にみられることがあります。これはビタミン破壊により髪や爪にハリ・ツヤがなくなったり、白髪・薄毛になったり、皮膚の皺が深くなったりすることが関係していると言えるでしょう。

タバコの成分

煙草の煙には、吸った本人の肺の中に吸入される煙(主流煙)と火が付いた先端から出てくる煙(副流煙)があり、どちらにも有害物質が含まれます。

主流煙有害物質

主流煙はPh6前後の酸性で、有害物質は以下のとおりです。
ニコチン(C10H14N2, C5H4NC4H7NCH3 )、一酸化炭素(CO)、タール、ホルムアルデヒド(CH2O)、アセトアルデヒド(C2H4O)、アセトン(C3H6O)、アクロレイン(C3H4O)、プロピオンアルデヒド(C3H6O)、クロトンアルデヒド(C4H6O)、MEK(メチルエチルケトンC4H8O)、ブチルアルデヒド(C4H8O)等のカルボニル類、ベンゾピレン(C20H12)、窒素化合物(NO,NOx)、シアン化水素(HCN)、アンモニア(NH3)、1,3-ブタジエン(C4H6)、イソプレン(C5H8)、アクリロニトリル(C3H3N)、ベンゼン(C6H6)、トルエン(C6H5-CH3)等の有機化合物、NNN(N-ニトロソノルニコチン C9H11N3O)、NAT、NAB、NNK(4-(メチルニトロソアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン C10H13N3O2)等のニトロソアミン類

副流煙有害物質

一酸化炭素(CO)、ニコチン(C10H14N2, C5H4NC4H7NCH3 )、タール、

1)ガス状物質(ガス成分)
2)粒上状物質(粒子成分)

ニコチンは即効性の毒、タールは遅行性の毒です。
ニコチンは、全身の神経系に作用して血圧上昇、貧血、ストレス上昇、下痢などを起こします。血圧上昇に伴い血管系に悪影響を与えます。
タールは発癌物質が豊富で肺癌を始めとして数々の癌の原因になります。
肺に溜まって大食細胞が処理した後に悪影響が出ます。
黒い肺の原因になります。

禁煙すれば、薄毛は改善されるのか?

どのようにして、薄毛が改善されるのか(メカニズム)

禁煙すれば体内にニコチンが吸収されなくなります。これによりニコチンによる末梢血管の収縮がおきないため、血流が改善され毛母細胞なで必要な栄養素を届けることができるようになります。
また、アンチエイジングホルモンが破壊されなくなり、これが原因のストレスも作用しなくなります。

上記で、気を付けること

禁煙すれば、良いことづくめのように書かれていますが、実際には禁煙してから効果を実感(自覚症状が感じられるまで)できるまで数日間から数週間といったタイムラグがあり、個人差もあります。

大事なことは禁煙の状態を継続するコツです。

1)禁煙環境を作る

「禁煙する!」と宣言しても、意思だけで継続するのはかなり大変です。
ですから、職場の同僚や家族に禁煙中であることを伝えましょう。
タバコや灰皿を遠ざけて、喫煙者が多く集まる場所(喫煙ルーム、居酒屋、パチンコ屋など)に近づかない、喫煙者と飲みに行かないことも大切です。喫煙者と飲みに行くと、煙草を吸ってしまう可能性大です。

2)ストレスマネージメント

ストレス解消のためにタバコを吸っている人も多いかも知れません。そんな方はタバコ以外のストレス解消方法を試してみましょう。
外の空気を吸う、コーヒーや紅茶を飲む、ウォーキングなど軽い運動をするなど煙草以外にもストレスを緩和してくれるものは意外とあるものです。

3)効果を最大限にする

せっかく禁煙しても効果が実感できなければ継続するのは難しくなってしまいます。できるだけ早めに効果を感じるために、生活習慣等を見直してみましょう。

 ・頭皮環境を整える
 ・規則正しい生活を行う
 ・質の良い睡眠時間を確保する。
  ダラダラ寝ているのは質の良い睡眠ではない。アンチエイジングの観点からは7時時間前後の睡眠が良いとされている。
 ・一日三食、栄養のバランスを考慮して食事を摂る。
 ・ビールやお酒などアルコールは控えめにする
 ・適度な運動を定期的に行う

時間がかかるかも知れませんが、禁煙状態を続けていけばいずれは効果が出てきます。がんばりすぎず、継続できる方法を見つけていきましょう。

禁煙だけでは、薄毛が改善されないケース

円形脱毛症や神経性脱毛症、脂漏性脱毛症、ひこう性脱毛症、牽引性脱毛症やその他病気や頭皮環境に原因がある場合、禁煙だけでは薄毛が改善されません。また、これは女性だけですが分娩後脱毛症(産後の薄毛)の場合も同様です。禁煙そのものは健康の為に良い行為ですが、薄毛の原因になっているかどうかは、はっきりさせておいた方が良いでしょう。

タバコにかかるコスト

「喫煙は実は多額の出費である」と認識しましょう。

例えば、20歳から45歳までSeven Stars(セブンスター・セッター 1箱460円)を1日1箱吸っている場合、
タバコのかかるコストは以下のとおりです。

460円×1箱×365日×25年=4,197,500円
(ひと箱の値段(平均)×一日の箱数(平均)×365日×吸っている年数)

車が簡単に1台以上買える値段になります。このまま喫煙を続けると費用はますますかかります。
このタバコの値段はあくまでも現在の日本の価格であり、海外では1箱が2000円以上の場合もあるそうです。

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